5月7日。
ある意味衝撃的な誕生日になった。
話題の映画。靖国を見に行った。
映画靖国。
「胸が締め付けられる思い」
「なんだかやり切れない」
「なんだか人間が恐い」
これがこの映画を見た感想。
胸が締め付けられて、涙まで浮かんできた。
悲しくて、やりきれなかった…
映画が終わった後、私の前を
歩いてた、若い女の子は具合悪くなっていた。
映画全体を見て、この映画は、中国人の監督が、
日本人や世界にむけて、靖国神社の姿を伝えたかった
という思いが伝わってくる内容だった。
このことで、内容が偏ってるという意見があるけど、
これは靖国神社で実際に起こっている姿を描いて
いるだけで、こういう日本の姿があるのも事実だと、
受け入れないといけないことだと思った。
作者の意図が映像に映るのは当たり前。なんで映画を作ったか?
どの映画も一緒だと思う。
そこにはなんだかの意図がある。
そこを批判したらいけない。
日本を美化する映像はあるけど、
こう言う日本の一面を映し出した映像は少ない。
無関心ではいけない問題の一つ。
知っていないといけないことが映画には描かれている。
映画で、
「日本のために戦った英霊に感謝」
「最近の若者は、大和魂(お国のために命を捧げる)
に欠ける」
といった、似たような言葉が沢山出てきたが、
私は日本人が言う日本人ではありたくない。
日本人じゃないって言われたっていい。
私は日本人である前に、地球人でありたい。
戦争や飢餓。いろんなことを仕方ないで済ましたくない。
日本だけじゃなくて、
出来るだけ沢山のことに目を向けたい。
理想を描いていたい。
そう思った。
映画の具体的な内容に入って、
靖国神社。そこには、いろんな人の憎しみとか
悲しみとか沢山の感情が絡み合ってた。
日本に利用され、日本の戦争に参加させられ
れた台湾の人達。
日本のために死んだ英霊として靖国神社には、
奉られている。
その魂を、返してほしいという遺族の思いが、
靖国神社へとぶつけられる。
お国のため死んだ英霊として、戦死者を讃え続ける人々。
星条旗を掲げるアメリカ人。
日本の行いすべてを美化する動きを批判して、
真実を訴えようとぶつかっていく若者。
そして、国の戦争に利用されて家族を失った
遺族の怒りは、その死を讃えられ、
勲章を与えたれることで行き場をなくしていた。
最後に流れた「南京大虐殺」の写真には、
目を塞ぎたくなり、自然と涙が溢れ出た。
これを合成だって言っている日本人がいる
けど、これは、加害者である日本人の意見で、
信憑性が全くない。
触れるのがタブー化されている「南京大虐殺」。
これは、他の国々も認めている事実である。
映画の中で、戦争が残した傷痕から、
様々な感情がぶつかり合って、
また新たな亀裂を刻んでいた。
戦争の傷痕はこんなにも複雑で深かった。
感情がぶつかり合うだけで、傷痕が癒えることはない。
どうすれば、何をすれば人と人が手を繋げるのか、
自分なりに考えたけど、はっきりとした答は出せなった。
ただ、一つ思ったことは、黙ってるだけじゃだめだけど、
お互いの痛みを知り合うことで、
何か変わっていくような気がした。
戦争を知らない私が言っても、
説得力ないかもしれないけど。
みんな同じ、
痛みや苦しみを抱えて生きている人間だから、
それを分かち合うことが出来る人間だから、
辛い時、悲しい時に手を差し延べてくれる人間だから、
いつか一つになれると思う。
戦争を知らない私でも、知っていることはある。
戦争がだめだってことはわかるから。
きれいごとで済まされるかもしれないけど、
理想を持っていないより、
理想を持っているほうがより良い世界に
近づけると思う。
前にも書いたけど、
私は、靖国神社を参拝することは
いけないことだと思っている。
靖国神社は国民を戦争に利用するために
作られた場所だから。
だけど、戦争で死んだ家族のことを思って
参拝する遺族の思いは否定できない。
そっとしておいてあげたい。
戦争の傷跡って60年経っても癒されない、
深い深い傷だった。
みなさんも是非見てほしい映画です。
上映情報を載せておきます。
反響が多かったため、上映期間が延長されました。
渋谷シネ・アミューズ(英語字幕付):5月17日~6月6日
シネカノン有楽町1丁目:5月10日~(※レイトショー)終了未定
シネマアンジェリカ:5月17日~5月30日
感想が聞きたいです。
悲しくてやりきれない思いでいっぱいのYUMEでした。